「Excelで業務を回しているが、なんとなく非効率を感じる」「マスタデータが部署ごとにバラバラで、どれが正しいか分からない」「Excel職人に依存していて、その人がいないと業務が止まる」中小企業でこんな悩みを抱えていませんか? 本記事では、なぜExcel業務が企業の生産性を落とすのか、 その根本原因を「DBの分断」という視点から解説します。1. なぜExcelは中小企業で愛用されるのか多くの中小企業では、業務の大部分をExcel(Googleスプレッドシート)を使って処理しています。たしかにExcelは極めて便利で汎用性の高いツールであり、多種多様なタスクを処理する能力がありますが、Excelはあくまでも表計算ソフトです。それが過度に依存され、なんでもかんでもExcelを使うと、企業の生産性に深刻な影響を及ぼす可能性があります。Excelの課題Excelは、データの整理、計算、分析に非常に役立ちます。しかし、Excelが全ての業務を処理するための最適なツールであるとは限りません。手作業とエラー: Excelのデータ入力はほとんどが手作業であり、ヒューマンエラーが発生しやすいです。間違った数値の入力や、セルのコピー&ペーストのミスなど、小さなミスが大きな問題を引き起こす可能性があります。時間の浪費: Excelは誰でも簡単に使えるようで、実は極めて高スキルを必要とするツールです。例えばExcelの複雑な関数やマクロの作成は、時間とスキルを必要とします。Excel職人が個人で利用する分には問題ありませんが、多人数で利用すると、意図しない使われ方をして、修正するのに大変な時間と労力がかかります。これにより、重要なビジネスタスクに集中する時間が削られ、生産性が落ちる可能性があります。データ共有と協業の難しさ: Excelは個々のユーザーが独立して使用することを前提としています。そのため、チーム間でのデータの共有や同時編集が難しく、業務の効率化にブレーキをかけます。Excelの最大の問題点上記にいくつかExcelの課題を取り上げましたが、最大の問題点はExcelをDB(データベース)として利用し、同じようなマスタが複数乱立し、それを各々がそれぞれメンテナンスすることにあります。つまり、DBが分断していることが最大の問題点です。これはExcelだけでなく、共同編集できるGoogleスプレッドシートも同じ問題が発生します。マスタデータは、顧客マスタ、従業員マスタ、製品マスタ、店舗マスタなどがありますが、表計算ソフトであるExcelを使ってマスタ管理をすると、DBが分断して似たようなマスタができてしまい、それぞれをメンテナンスするために二重入力、三重入力が発生します。例えば労務管理するために人事総務部で従業員マスタをExcelで作るとします。その後に、経理部で給与計算や経費精算等で似たような従業員マスタが作成されます。業務部で人員配置をするために、従業員マスタが作られます。営業部でも、商談管理の担当分けのために従業員マスタが作られます。広報部では、社内報を作成するために従業員マスタが必要になります。こうして、似たような従業員マスタがそれぞれの部署でそれぞれの担当者が作成し、従業員の入退社等があれば、それぞれの従業員マスタをそれぞれの担当者メンテナンスしています。このようにDBが分断してしまうことによって、従業員マスタはどれが最新で正しいものなのかが、分からなくなっていきます。マスタデータのはずなのに、どれがマスタデータファイルなのかが分からなくなってしまうのです。本来、Excelは使いこなすために高度なスキルが要求されます。しかし、従業員全員が高度なExcelスキルを持ち、正しく利用することは極めて難しく、どうしてもDBが分断してしまいます。では、DBを分断させないためには、どのようにすれば良いのでしょうか。次の記事では、そのあたりを考えたいと思います。Excel脱却の方法|クラウドサービスと自社システム開発の選び方・注意点